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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「俺が商売を始めてから、こんな酷い目にあったことはまだただの一度もねえ」

とこぼし抜いておりました。それも今言いましたとおり、仕入れを誤ったのならばまだ気持の慰めようもございましたが、品物を廻した仲間内では、廻すや否や飛ぶように疏けて、

「越前屋さんじゃこんないい品物をたくさん持ちながら、なんだって寝かしてお置きになったんで?」

なぞと人の気も知らずに、不思議そうに聞かれたりしますと、なんとも言えぬ情けない気持でございました。

しかもその年は家中になんだか妙な出来事ばかり重なり合いまして、阿母が仏壇を拝んでいて、お灯明を消そうとして手で煽いだ拍子に火傷をして、そこに痣ができましたがそのまた痣がいつまで経っても直りもせずに、日が経つに従ってますます大きくなって蓮の花そっくりの妙な恰好になってまいりましたり、何十年にも寝たことのない親父が、下駄を穿く拍子にちょっと躓いたと思ったら足を挫いておりまして、それを直すのに一月近くも寝込んでしまいましたり、そうかと思えば小僧が仏壇のお花を棄てるのに誤って蝋燭立てを小指の先に突き刺して、そこが腫んで疽になってとうとう小指を切って二十日余りも寝ついてしまいましたり、もちろんものの拍子と言えばそれまでのことでございましょうが、妙に厭なことばかり重なり合ってきたのでございまし