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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

お父つぁんが、用事の都合で急に今夜お帰りになることになったから、それで知らせに来て下さったんだとさ!」

「それじゃお父つぁんは帰って来るんだろう。だれが知らせに来てくれたんだい?」

「それがお前、わたしが今まで一度も見たことも聞いたこともない方なんだよ。丸髷に結って、綺麗なとても綺麗な、わたしはだれか花曲輪の芸妓衆でもあろうかと思ったくらい、なんともいえぬ綺麗な奥さんが……それがお前真っ青な顔をして……」

「阿母さんお止しよ! そんな妙な顔をして! なんだってそんな真似をするんだ!」

「いいえ、それがお前!」

と阿母は真剣だったのでございます。笑い顔一つしませんでした。

「それがお前! ここから下が」と両手で腰の両脇を扱くような恰好をしました。「ずっぷりとまるで血のように真っ紅になって……確かに血なんだよ、あれは! ああ思い出してもわたしゃ厭な気持がする」

と阿母は眼を閉って、二、三回頭を振りました。

「何をくだらんことを言っている!」私は見ていないことですからいっこう平気で、おおかた親父の知り合いの芸妓衆でも、雨の中を紅い腰巻でも出して通りすがりに知らせてくれたのだろうと、たいして心に留めてもいませんでした。