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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

人魂

というのは、博士や夫人は気づかれなかったかもしれませんが、読者のみなさまは、もう、この老婆のあやしいそぶりの数々には、とっくに気がついておいでになりましょう。

ですから、あとでこの話をきいたとき、わたしは、なぜだれかひとりでもそのときに、この老婆のあやしいそぶりに気がつかなかったのだろうか? と、じだんだふみたいほど、残念に感じられてならなかったのです。

しかしくわしい事情をきいてみれば、そこにはまた、なるほどと思われることがないでもありませんから、それをみなさまにも呑みこんでいただくために、この博士夫妻がすんでいられたこの家が、どういう由来の家であったかということを、いちおう申しあげておくことにいたしましょう。

人魂

博士のすんでいられたこの家が、このあたりでもひときわ人目をひいて宏荘なのもどうり! いまから何代かまえまでは、いまも町はずれにのこるお城の城代家老、石藤左近将監というかたが、金と権力にあかせて建てられた住居だったのです。

城代家老といえば、藩でも殿さまのつぎにくらいするおかたで、このかたが、たいそうさざんかをお好みになり、さざんかの名木という名木をあつめ、屋敷のまわりへおうえになったので、いまでも山茶花屋敷といえば、この近郷だれしらぬものもない、なりひびいたお屋敷だったのです。