Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
万円というお金をだして土佐からとりよせた、五郎丸という犬までつれてきてくださったのです。
そんなわけで、たださえ近在になりひびいている侍小路の山茶花屋敷に、このごろは、吉浦の網主のうつくしい妹ごさまがおうつりになったそうな、そしてだんなさまは、東京の大学のえらい先生さまで、お医者さまだそうなと、たちまち近郷近在のうわさのたねになりました。
そしてくる患者くる患者、みてもらったかえりに、どれ、山茶花屋敷のお庭を拝見してかえろうかなと、奥庭から、なかには書院のほうまで無えんりょにのぞきこんでいくのでした。
この田舎の人のぶさほうさを、博士も夫人も、いちいち気にもできず、ただ苦笑しているほかはありませんでしたが……
そういうぶさほうな習慣を見なれていたばっかりに、いまこのあやしげな老婆が、夫人の居間をのぞきこんだときいても、博士も夫人も、さして深くは気にとめていられなかったのです。
さて、その翌日は、博士は長崎の医科大学の会合に出席して、町の停車場までかえりついて、むかえにきていた吉蔵のくるまにのったのは、もうかれこれ五時すぎぐらいになっていたかもしれません。