Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「話すでねえとおっしゃれば、しゃべりはしましねえが、……だんなさま、やっぱり、クマでごぜえやしょうがな? この足跡はクマでなけにゃ、ほかに見当もつかねえだ」
「だから、それをしらべるまで、だまっているんだというんだ」
と、かたく吉蔵にくちどめしておいてから、博士は夫人の待っている、茶の間の朝の食卓にむかいました。
もしかすると、またあの老婆が、なにくわぬ顔でやってくるかもしれないぞ! とその日一日博士は、胸をおどらせていましたが、とうとうその日は、老婆はすがたを見せませんでした。が、やがてその日も暮れかかろうとするころ、またもや博士がひっくりかえるような、おどろくべきニュースがとびこんできたのです。
その日の診察もこれでおわろうとするときでしたが、
「先生、診察ではありませんけれど、東戸松村からお百姓さんが、先生にちょっとおうかがいしたいことがあるって、いってきてますが」
と、看護婦の笠井にあんないされてはいってきたのは、年のころ三十七、八、みるからにぼくとつそうな、陽にやけたお百姓さんでした。
「なにか、わたしにききたいことがあるとか? どういうご用でしょうね?」