Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
ませんと、いちずにかんしゃくがつのるようなわけでござりましょう……」
と、若党は暑さと恐縮のためにいっそう汗をぬぐいました。
「わしは他人じゃからかまわぬが、そちども召使たちには、わしのきようがおそいと、とんだ迷惑をかけるのう。では、……さ、佐平治とやら、そちはひとあしさきに将監どののお邸へもどってな、わしが参着したと、先ぶれしてはどうな? さもないとまた気がきかぬやつとしかられるかもしれぬぞ。わしにかまわずに、さ、ひとあしさきにもどってはどうな?」
「おそれいります。さようなれば、てまえは一足おさきへごめんこうむりまして……」
「そう、遠慮はいらぬ。そういたせ、そういたせ」
と、少年はいたわりを目もとにほほえませて、やさしくうなずきました。そしてかんしゃくもちの主人をもった若党が、かわききった道をほこりをたてて、坂をかけあがっていくあとから、おちつきはらってべつだんいそぐでもなく、ゆうゆうと山茶花屋敷のほうへあゆんでいくすがたは、左近将監などとは雲泥の相違のおくゆかしさといわなければなりません。
が、それにしても、頬髯いかめしい、あから顔の四十いくつかの左近将監が、しきりに待ちきっていた碁のあいてというのは、こんな年端もいかぬ少年だったのでしょうか? しかもくりかえしてこの少年のけだかいこと、うつくしいこと