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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「さ、御家老! そう考えこんでいられても、きりがありません。だいぶ夜もふけましたし、母も待っておりましょうから、てまえもこのへんで、おいとまいたしたいと思います。……さ、早く、石をおおろしください! もう勝ち負けは、わかっているではありませんか!」

しかし、むちゅうになっている家老には、このことばも耳にはいりません。どこへおろそうかと石をはさんでとまどっているようです。考えに考えて、やっとパチリと一石……と、間髪をいれず少年の石がパチンとひとつ!

「あっ!」

と、家老がさけびをあげました。

「そ、その石だけは、ちょっと待ってもらいたい! ちょっと……その石だけは!」

「なりませぬ!」

と、少年はひややかに、いいはなちました。

「さ、つぎをお打ちください」

「ちょ、ちょっと、待ってもらいたい……そうせかされても……」

左近将監の小鬢からは、あぶら汗がたれてまいります。

「では、ここへおろすか……」

間髪をいれず、また少年の石が、パチンとひとつ!

「あっ!」

と、家老がいそいでその石をとりのけようとしたとたん、少年は顔色かえて、無言のまま刀をひきよせました。

「御家老! てまえは、これで失礼をいたします」