Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
将監癇癖つのって、納戸よりこちらへちかづきくるものは、だれかれの容赦なくブッタ斬ると、召使一同にふれておけ! 竜胆寺どの若党が、供侍部屋にひかえておるはず。このものにも左様申しきかせて、追いかえしてしまえ! そして貴様は、早く手桶を用意して、血のりをあらいさってしまえ!……おっつけ伜新之丞ももどりくるはず、新之丞のかえらぬうちに、さ、さ、早く早く、しまつをつけねばならぬ」
「だ……だんなさま、おどろきましたひょうしに、腰がぬけまして、……た、たつことができませぬ」
「いくじのない奴、これしきのことに! さ、たちおらぬか!」
と、きき腕とってポーンとひとつ、尻をけとばされて、やっとのことで佐平治の腰がたちました。
「人に知られては、身の一大事! 命おしくば、さ、早くいたさぬか!」
おどかされて、すかされて、這うようにして納戸のむこうへころがりんだ佐平治の声が、とぎれとぎれにきこえてまいります。
「八重どの……藤どの……仲八、権六……定吉……表座敷へ、でてはなりませぬぞ! 碁のおあらそいから、だんなさまご癇癖つのらせられて、竜胆寺さま若さま、お立ちかえりあそばされた。