Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
……」
と藤と額をあつめてこまりきっているのです。
「あしたにもだんなさまがおめしになるとおっしゃったら……ねえ、お藤さん、わたしどうしたらいいんでしょうねえ!」
と、思案投首の態だったのです。
が、しかし、そんな城代屋敷のことなどは、しばらくおき、こうしてたしかに左近将監が小金吾を殺したという証拠は、明白にあがっていても、こちらはやせおとろえた盲目の老母の身。どうしてこのかたきを討つことができましょう。かりに訴えでてみても、かんじんの殿さまは江戸表にあっておるす。
そして、こういう訴えをとりあげてさばく、大目付という役柄も、あいてが殿さまのつぎにくらいする城代家老では、手も足もでるものではありません。
どうしようか、こうしようかと心にもだえつつ、老母はとるすべもなくくちびるを噛んで、ただ無念の涙にかきくれていました。しかも、玉のくわえてきた証拠と符節をあわせるように、その晩もまた小金吾の亡霊は、老母の枕もとにあらわれてきたのです。やはり邸中がねしずまって、あんどんの影がくらくなったころおいに、もうろうと人影がさしてきたのです。
しょんぼりとさしうつむいて、肩と脾腹から、こんこんと血をふき、その疵口をおさえた手からも血がしたたりおちて、さも無念げに城代屋敷のほうを指していることは、このまえとなんのかわりも