Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
と、若党の佐平治をもっていわせて、かたくこばんで会ってくれないのです。
「おいいぶんはさることながら、親が子のかえらぬしまつを知りたきは、だれしもおなじこと……お目にかかるまでは、お玄関さきを拝借して何日でも待ちまする。さよう将監どのへおつたえねがいたい」
しかし、なんとしてもこの卑怯な家老は、会おうといたしません。
「当家の迷惑このうえなし。お目にかかることはまかりならぬ! と、追いかえしてしまえ! 佐平治、かまわぬ、わしが許す、とっととたたきかえしてしまえ!」
内心は老母にあうのが、気がとがめていたのかもしれませんが、うわべは虚勢をはって、召使たちの手前、頭から湯けむりたてて癇癖をつのらせたような顔をしているのです。こまりはてて佐平治が、玄関と奥の間を、なんど行ったりきたりしたかわかりません。
「かねておききおよびでもござりましょうが……」
と、とうとう佐平治はへこたれて、奥へきこえぬよう、老母のまえに手をつきました。
「無類のかんしゃくもち、いったん癇がたったとなれば、なんとしてもききわけるかたではござりませぬ。いかがでござりましょう? きょうのところは一応おひきとりくださいまして、またのお越しをねがわれますまいか?」