Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
もはやこのおそろしいあいてには一刻の猶予もできません。時刻をのばしていたら今夜にもじぶんの命があぶないのです。もはやこのようすでは、おそらく八重もこの怪猫におびきだされてくいころされ、お稲も闇のなかでくいころされているものと見なければなりません。
なんというおそろしい怪猫! 憎きやつ! と、左近将監は、じぶんが小金吾をころしたばっかりに、事はおこっているのだというのも忘れて、火のようにたけりたちました。
ようし! 怪猫め! 今夜こそ有無をいわせず目にものみせてくれるぞ!
「佐平治、佐平治! こりゃ佐平治!」
猫のことでさんざんかけめぐってきて、部屋へもどって休息のいとまもなく、佐平治はまたもやよびたてられました。
「コリャ佐平治! 仲八、権六、定吉どもをよびあつめい! よびあつめて、めいめいに鋤、鍬、鎌なんでもかまわん! 手なれた柄物をもたせ、身じたくさせい! わしのあとからついてこさせえ!」
「だんなさまどちらへお供いたしますので?」
「そちだけにはおしえておく。臆病者ぞろいのやつらじゃ。やつらにまえもって話してはならぬぞ! よいか、わかったな? これからわしが隠居所へいく。