Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
いやハヤおそろしいことで、なんともハヤもう身の毛のよだつようなお話でござりますな」
と佐平治にいたっては、あまりのおそろしさに、ただもうブルブルとふるえているばかりです。そしていうなといわれても、佐平治からそうっと耳打ちされたのでしょう。まだ怪猫にもあわぬうちから、仲八、権六、定吉らはいずれも顔色かえて浮足だちながら、鍬をかつぎ玄能をふりふり、逃げごしをして将監のあとからくっついてまいります。
さて、この一隊をひきつれてお小姓街道をよこぎって、一同が隠居所のほうへちがづいてきたときには、もはや夜はとっぷりとくれはててまッくらく、空には星ばかりがまたたいておりました。
そしてふるえたった一同をつれて、砂利をしきつめた隠居所の坂道を、いましも登ろうとしていたときでした。隠居所の小門がギイッーとあいて、なかから提灯をつけた若い女がひとりでてまいりました。すれちがいざまに、
「だんなさまでいられましょうか?」
「おう、そちは幾か?」
と、将監も歩をとめました。お幾はお里の朋輩女中でしたが、これは老母づきの小間使で、まだ二十一、二のきれいな女です。
「いまごろどこへゆく?」