Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

とまだだれも騒ぎ立ててもいないのに、呟くようにそう言った。

ともかくその顔には争われぬ安堵の色が漲っていた。そして安心したとなると今までムッツリしていたくせに妙に口数が多くなってハシャギ出してきたが、私は亭主に耳打ちして幾らかの物を紙に包んでこの不興気な顔をして佇んでいる茂十さんに厚く礼を言って別れを告げた後に、亭主と連れだってまた桜山の宿へ帰る途々も、ただもう恐怖と気味悪さとで悪寒がしてくるような気持であった。

この世の中に幽霊があるとかないとかそんな理屈なぞは、もう私にとっては何の価値でもなかった。幽霊があろうがなかろうが、もう私のこの恐怖を打ち消すものは何にもない。あの少年たちがやはり生きている人だったという適確な証明のない限り、全身全霊を戦慄かせてくるこの気味悪さをもはや私にはどうすることもできないのであった。

「明日にでも、もう一度寺へ行ってよくお墓を調べて御覧になったらいかがでしょうか?」

と浮かぬ私の様子を感じたものか亭主はそう言い出した。

とんでもないことであった。知らなかった以前ならばともかくも、もうあの淋しい山寺の墓場なぞ考えただけでも身震いしそうな気持であった。