Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
健三はそれが何時出来上ったか知らなかった。しかし彼が始めてそこへ行ったのは新築後まだ間もないうちであった。四間しかない狭い家だったけれども、木口などはかなり吟味してあるらしく子供の眼にも見えた。間取にも工夫があった。六畳の座敷は東向で、松葉を敷き詰めた狭い庭に、大き過ぎるほど立派な御影の石燈籠が据えてあった。
綺麗好きな島田は、自分で尻端折りをして、絶えず濡雑巾を縁側や柱へ掛けた。それから跣足になって、南向の居間の前栽へ出て、草毟りをした。あるときは鍬を使って、門口の泥溝も浚った。その泥溝には長さ四尺ばかりの木の橋が懸っていた。
島田はまたこの住居以外に粗末な貸家を一軒建てた。そうして双方の家の間を通り抜けて裏へ出られるように三尺ほどの路を付けた。裏は野とも畠とも片のつかない湿地であった。草を踏むとじくじく水が出た。一番凹んだ所などはしょっちゅう浅い池のようになっていた。島田は追々其所へも小さな貸家を建てるつもりでいるらしかった。しかしその企ては何時までも実現されなかった。冬になると鴨が下りるから、今度は一つ捕ってやろうなどといっていた。……
健三はこういう昔の記憶をそれからそれへと繰り返した。