Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やそうざっき・やちょうざっき

野草雑記・野鳥雑記

柳田 国男

Lesen Sie 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.016 Zeichen · 284 Bildschirme

Aozora Bunko

やがて子が孵ってじいじいと幽かに啼き始めてから、毎朝手を入れて撫でて見ることにしていた。さぞ雀のおっかさんが、煙草くさい児だといっていやがるでしょうと娘たちがいうので、なに小鳥には嗅覚がないということだなどと冗談をいっていると、たった三日か四日で、あの柔かな何ともいえない肌ざわりのものが、突如として箱の中から消えてしまっている。さてこそと取下して見ると中は藻抜の殻であった。独りで飛んで行った気づかいはないのである。行く先に頃合いの空家があろうとなかろうと、少しく不安を感ずると食ってしまうという親さえあるのだ。とにかくここには置かれぬというだけでそっと抱え出し、何かに驚けば取落して行くものと見える。恐らく安全に育つということは、この成長状態では望めないであろう。つまらぬ試験をしたものだと今に気が咎めている。それからまた気のついたことだが、家の近所で見る巣立雀の中には、人ならば七八つもちがうと思う年齢の差が見られる。一家の都合とか両親の気持とかでは、かなり思い切って早い巣立ちをさせるらしいのである。いたずらっ児時代の記憶を喚起して見ても、瓦をめくって親かとまちがえるような大きな子雀を見たこともあれば、また椽先などへ入って来るのには、時々は腋の下などの赤裸なのもいる。