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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほどそう言えば血潮は刃形に付いていて、自分で自分の着物に匕首を拭かなければ、こんな型が付く道理はありません。もっとも、お吉殺しの時の不在証明は持っていませんが、それには深い仔細のあることでしょう。

お峯に懸った夫殺しの疑いも、同じように段々薄れて行きます。夫婦の仲が雇人達が羨むほど良く、それに、夫でも殺そうという悪心があるなら、江戸一番の捕物の名人に、謎のような結び文を預けていらざる注意を喚び起すはずもありません。

もう一つ、生菓子へ入れた毒も、その時お峯が入れたとは限らないわけで、一刻も二刻も前に入れておいても、七兵衛が喰うに決った菓子だったのです。

二人は許されて帰って来ましたが、そうかといって、他に疑いをかけるほどの人があるわけではありません。

釜吉は実直一点張の男、菓子もその日の朝七兵衛に頼まれて自分が赤坂から買って来たのですから、自分の手で毒を仕込むような馬鹿なことはするはずもなく、第一その菓子を誰が喰うのか、よく知っている道理がなかったのでした。

丁稚の長六、下女のお咲、仲働きのお春、どれも一期半期の奉公人で、お吉や七兵衛を殺すほどの理由を持つようなのはありません。