Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

七

七

「お前はお駒に気があったそうだネ」

「ヘエ、恐れ入ります。が、親分さん、町内でお駒に気のねえのは、地蔵様ばかりで」

茂七は遊び慣れた人間らしく軽く外らしました。

「ところで、お前さんは新助の側に居てよく知ってるだろうが――弓を射てから、悲鳴が聞えるまでどれほどの間があったろう」

平次の問は不思議です。

「ヘエ、それが不思議なんで――煙草半服ほどの間がありましたが」

茂七の顔は伸びたり縮んだりします。矢が飛んでから、悲鳴が聞えるまで、そんなに隙のあるのは何とした事でしょう。

「有難う、――それから、この家に佐々村佐次郎さんの書いた物があるなら、内緒で見せて貰いたいが」

「ヘエ、――お手紙が二、三本と、弓の伝授書があったはずで――」

茂七は奥から二品三品持って来てくれました。能筆と噂された佐次郎の筆蹟は全く見事なもので、新助の死体の下にあった、浅草紙の文句とは比較にもなりません。

でも平次は浅草紙の文句を出して、そっと比べて見ました。

「違い過ぎるね、親分」

覗いたのはガラッ八の長い顔です。

「それから、塵紙か浅草紙があったら一枚貰いたいが、――半紙はいけない」