Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

思い出したように又左衛門はそう言いました。火事息子という言葉もあるくらいで何か騒ぎのあるとき駆けつけるのが、勘当された息子の詫を入れる定石になっている時代のことです。ツイ垣隣に住んでいて、これほどの騒ぎを知らないというのも余程どうかしております。

「なるほど、そう言えば変ですね」

と平次。

「だから、あっしは言ったんで、どうもあの垣の外が臭いって――」

とガラッ八。

「黙らないか、八、そんな下らない事を言っている暇に、ちょいと覗いて来るがいい」

平次にたしなめられて、尻軽く外へ飛んで出たガラッ八、間もなくつままれたような顔をして帰って来ました。

「可怪しな事があるものだ、もう昼だっていうのに、まだ雨戸も開いてねえ」

「何、まだ雨戸が開かねえ」

「親分、恐ろしい寝坊な家もあったもんですね」

「そいつは可怪しい。来い、ガラッ八」

平次は弾き上げられたように起ち上がりました。改めてそう言われると、又左衛門もガラッ八も、お冬も背筋をサッと冷たいものが走ったような心持になります。

庭を突っ切って、垣を飛び越えると、平次はいきなり雨戸を引っ叩きました。

「今日は、今日は、隣から来ましたがね、――田代屋の旦那が、御用があるそうですよ」