Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「ところで、お新はどうしました」
八五郎はせっかちに話を本題に引戻しました。
「俺が考えた通り、この五日の間、目黒の尼寺へ行って泊って居たそうだよ、石川依右衛門が、目黒の百姓家に通善を囲って、髪の毛の伸びるのを待って居る頃、お新は時々使いに来て居るから、無住の尼寺に入って泊っても、近所の衆は大した不思議とも思わなかったらしい」
「尼寺へ行ったのは変じゃありませんか、親許とか請人のところならわかるが」
「逃げるとき内儀と打合わせたのかも知れないよ、――その辺のことはなかなか見透しがつかない」
「で、今日は何をやらかすんで」
「宮永町へ行ってみようよ、第一番にその細引の切り捨てた端も捜し度いし、外にも調べることは沢山ある」
八五郎と平次は、二頭の若駒のように、鼻面を並べて明神下から宮永町へ飛びました。
いきなり、裏口へ回って、庭木戸から入ると其辺をウロウロしている平次。
「何を捜すんです、親分」
「娘が殺された二階の真下は、日陰のジメジメした中庭になって居るが、足跡を残さずに、あの辺へ入って行く工夫は無いものか、それを考えて居るんだよ」
「其処に足跡さえあれば、――いや足跡と梯子の跡があれば、曲者は階下から這い登って、二階の欄干に凭れて居る娘の背中を刺したこととなるが」