Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「石井家には随分いろいろの細引がありましたが、麻糸の端っこの方を、皆んな赤く染めてありましたね」
「それは良いことに気が付いた、引っ返そうか」
平次はもう一度、宮永町の石井家に引返したのです。
この時は辰之助もさすがに冷静に還ったらしく、先刻ポンポン言ったのをひどく後悔した様子で、今度は妙にチヤホヤしてくれます。
「人間二人の生命を奪った下手人の調べだ、大概のことは我慢してもらいたいな」
平次にそう言われると、
「へェ、相済みません、私は気が短いので、ツイかーっとなります。御勘弁を願います。どうぞ御存分にお捜し下さい」
「では先ず、家中の人の荷物を一と通り見たいが」
「へェ、へェ、どうぞ」
先ず雇人達の荷物から先に、辰之助を案内さして、平次は念入に見て行きました。これは容易ならぬ手間のとれることですが、しかし今となっては、それより外に手段も無かったのです。
雇人全部の荷物を調べましたが、何んの変化もなく、続いて部屋の順序で内儀のお通の部屋を調べましたが、これも何んにも変ったことがありません。最後は姪のお雪の部屋を調べた時、可愛らしい手箱の中から、かがりかけの手鞠が一つ出たのを、平次は念入に眺めて居ます。