Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
煮締めたような畳、煎餅蒲団、行灯の灯が、トロトロと居眠りして、汚くはあるが、親しみ深い庶民的な趣です。
「お相憎様、蕎麦湯も――」
亭主がそう言うのを引取って、
「まァまァそう言うな、折角のお望みだ、熱いのを差上げたらよかろう」
平次はこの浪人者に興味を持った様子で取なし顔に言うのです。
「これは、お口添で恭けない、十二月四日ともなれば、江戸も寒いなあ、平次親分」
浪人者はとうとう言い切ってしまいました。
「あっしを御存じで?」
「この辺へ来て、銭形の親分を知らなきゃ、奥州松前の住人と間違えられるよ」
「飛んでもない」
「ところで、池の端は大変な備えだが、何んか容易ならぬ捕物でもあるのかな」
「へェ」
「いや、これは悪かった、いきなりこんな事を訊ねたら驚くだろう、――何を隠そう拙者は、竹町の浪宅に、年久しくくすぶって居る、宇佐美敬太郎という浪人者だ、決して怪しい者では無い、――本人が言うんだから、これほど確かなことはあるまい、ハッハッハッハッハッ」
「宇佐美様と仰しゃる――」
平次は首を捻りました。包みに包み、秘めに秘めた計画、こんな風来坊の浪人に打ち明ける筋合ではありませんが、今夜に迫った黒旋風の仕掛を、仮に打ちあけたところで、今となっては路傍の人から何んの妨げがある筈もなく、よしやまた、この浪人者が黒旋風の仲間の一人で