Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「髪を?」
「二年間も丹精して、ようやく五、六寸伸びたばかりの髪ですよ、それを付け髪ごと、根元から鋏か何かで切り取られて、見る影もないザンバラ髪だ、お通は泣くに泣かれず、気が遠くなって、ボーッとして居りましたよ」
「成程そいつは気の毒だな、曲者の見当もつかないのか」
「まるっ切り――と言い度いが、実は怪しいのが二、三人ありますよ」
「誰と誰だ」
「目黒の尼寺に居る時、うるさく付き纏っていたという、土地のやくざの浪次、今でも目黒から根津まで遠いところを、大した用事もないのに、ブラブラ石井依右衛門の家のあたりに来ることがあるそうですよ、あっしも一、二度見かけましたがね、三十五、六の苦み走ったちょいと良い男で」
「それから?」
目黒から根津までは半日旅、恋の通い路が少し遠過ぎます。
「番頭の宇吉、こいつは口もちょっかいも達者で、ことに女にかけては町内でも名題の箸まめだ、あろうことか、主人の妾のお通に変なことばかりするそうで、――主人の依右衛門は、江戸一番の大気だから、それを聴いても屁とも思わないが、小当りに当られるお通が参ってしまって、近頃は良い顔をしないそうで」
「それっ切りか」