Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
三
「まだありますよ、主人の倅の幾太郎、先妻の子で二十一だ、どうも親仁の妾と反が合わず、顔を見ても口をきかない程で、青瓢箪のヒョロヒョロ息子だが、こんなのが思い詰めると、とんだことをやり兼ねませんね」
「――」
「それから」
「まだあるかえ」
「主人の義理の弟の辰之助――店の支配をして居る四十男ですがね、無口で愛嬌者だが、散々道楽をした揚句の堅気だから、何時精進落するかわかったものじゃない。――それから」
「まだお妾が憎いのがあるのかえ」
「娘のお照は十八、綺麗とは言えないが、滅法可愛らしい娘だ、親父の妾のお通と仲が良いわけがありません、――もう一人、姪のお雪、こいつは掛り人ですが、十九の厄で少し淋しいけれど、品の良い美しい娘、倅幾太郎と、末始終は一緒にするだろうという噂で、外に中年者のお新という下女が一人」
「もう札止めにしてくれ、そう敵が多勢じゃ付き合い切れないな」
「でも、良い女が三人も揃っていると、何んかこう魔が射すんですね」
八五郎はおどけた調子でこう言いました。
三
それから三日目の九月十四日、後の名月の翌る日の朝、八五郎の「大変」が飛込んで来たのでした。