Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
凶賊黒旋風の跳梁は、妙月庵から淡路屋と、銭形平次を相手に、益々積極的にノシかかって来るのです。
「家に居ましたよ、一と晩、――小用にも行かなかったそうで」
「お前が見たわけじゃあるめえ、誰がそんな事を言った」
「本人が言うんだから間違いは無いでしょう」
「お前は何年お上の御用を勤めているんだ」
「――こうと、七年位になりますか」
「呆れた野郎だ。本人の言うのが皆んな本当なら、お白洲もお奉行も要らなくなるぜ」
「本人ばかりじゃありません、妹のお浜もそう言って居ましたよ。――兄さんと二人、昨夜は寒かったから、火鉢にあたって、信州に居る時分の、昔の話をしました――とね」
八五郎はそう言った事を本気で言えるほど呑気になって居りました。
「木賃宿だって、兄妹二人で借り切った部屋は、寒い晩は締切っているだろう」
「まァ、そう言うわけで」
「一人で二人の声色を使う手もあるだろう。一人碁を打って、一人が抜け出した例しもあるぜ」
「するとあの娘が、敵き役と女形と、二た役勤めたというんですか」
「果し眼になるなよ、そう言う術もあるという話だよ」
「へェ?」
八五郎はまだ、平らかならざる色です。