Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
四十前後の強かな感じのする武家で、甲府勤番は閑職には違いないが、それでも役について、二千両を送る誇りにハチ切れそうです。
「それじゃ、御免蒙ります」
八五郎は素直に一礼しました。これなら平次と一緒に、夜半前に引揚げるのであったと思う気持を顔にも出さず、不足らしい下っ引をつれて、暁の町を神田へ辿るのです。
「一と晩寒い思いをしたのに、温い茶一杯くれないのも因却ですね」
下っ引がブウブウ言うのを、
「相手が悪いよ、茶が欲しかったら、家へ帰って、腹がダブダブする程呑め」
などと一かど親分がります。
明神下の銭形平次の家へ着いた時は、もうすっかり明るくなって居ましたが、
「おや、八五郎さんだけ? 家の人は?」
平次の女房のお静にそう言われて、八五郎は胆をつぶしました。
「親分は夜半前に帰った筈ですが」
「いえ、戻りませんよ」
「おやおやおや」
八五郎の呆れるのを、お静は少しヤキモキした心持で眺めて居ります。
それから四半刻ばかり、平次の帰りを待つともなく、縁側の隅で熱い茶を啜って居るところへ、
「親分、大変なことになりました、ちょいと来て見て下さい」
あわてて駆け込んで来たのは、飯田町の波岡采女邸に使われている下男の中年男でした。