Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
兎も角も二千両の金が、二つの箱に入れたまま、煙のように消えたという、奥の座敷を見せてもらいましたが、其処には何んの変化も、泥棒の遺留品もなく、庭の不浄門――黒板塀の付いた木戸の扉が、バタバタと開いたままになって居たと言うのが、たった一つの手掛りです。
武家屋敷には、腕に覚えのある者があると、忍び返しなどという卑怯なものを取りつけない家が多く、波岡家もまたその腕に覚えのある方で、町の鼠賊が忍び込むとすれば、塀を越す位のことは何んでもありません。
平次はその不浄門に回って内外から調べましたが、
「八、塀の上のあたりを見てくれ」
何を思い付いたか、そんな事を言うのです。早速梯子を借りて来て塀の上に登った八五郎は、
「ありましたよ、親分」
頓興な声を出します。
「何があったんだ」
「猿の毛ですよ、此処から猿を投り込んで、不浄門を開けさせたんでしょう」
「いや、不浄門の錠前は、外からこわしてあるよ。一寸押した位ではわからないが、釘が一本あれば、小さい穴から押し込んで、錠前ごと輪鍵を外せるようになって居るんだ」
平次は妙なことを発見したのです。
「門の内へおれ達を入れないから、そんな仕掛までは目が届きませんよ。