Japanische Klassiker mit Furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lesen Sie おばけの正体 (おばけのしょうたい) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.925 Zeichen · 145 Bildschirme
それに対する先方の返答は、同家は荘八のほか、妻ふぢ、長男捨重、同人妻みな、次女よし、次男寛次郎、三男健次、孫要一、下女の九人暮らしで、病床にある主人の荘八は多く人の言を信ぜず、人が是といえば非という変人である。その他、すべて普通の田舎風の質朴な人たちで、ただ一人下女のおこうだけは、ふとりじしのどこか間の抜けた、いつでも眠っておるような女で、人が呼んでも、とき経ねば返事をせぬという風な女であるということであった。年齢は十五歳とのこと。
そこで博士は、「それでは出張するまでもない。その女の動作に注意を払え」と再びいい送ったところで、それに基づいて渡辺某がその女について研究してみると、それと手もとは見届けられぬが、怪異の起こるごとに真っ先に騒ぎ出すのはこの女で、昼間の戸外でも、この女が連れ立っておるときは、どこともなくバラバラと石の降ってくる不思議がある。そのうえ、同家に一泊した翌暁、前夜釜で煮て食い尽くしたはずの甘藷が押し丸められて、渡辺の座っているわきへゴロゴロと転がって来たときなど、どうやらこの女のいた方面から来たらしいので、いよいよこれはこの女が怪しいと注目して、この女だけを他家へ預けたところが、不思議はそれ限りはたとやんだので、もはや出張を煩わすまでもないと、このほど再応、博士のもとへ通知があった。