Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
俥夫は、茶屋からいいつけられたままで、深い理は知らないので、彼女に毛布をかけてやるとすぐに轅を上げて走り出した。彼女の泣けるだけを泣かせて夜露に濡れた俥の幌は、やがて関内の色街へ帰った。
巾着切の黒眼鏡の常は、前の日から馴じみの待合の奥にしけこんでいた。自分には此葉という好きな若い妓があったけれど、何となく、雛妓の豆菊もまた好きで、側においても邪魔にはならないので、いつも、来るたびに呼んでいた。
けれども豆菊が、あの愚連隊の仲間にいたトムの妹だということは、その晩、彼女が帰って来てからの話で初めて知ったのであった。常はトム公が捕まったと聞くと、何時ぞやのナンキン墓での約束があるので、自分が捕縛られた以上に、しまった! と思った。
広東服のお光さんに話せば、何とか、応急の策があるにちがいないが、そのお光さんの一定の住所というのを知らない。また、愚連隊の樫井や今村や三浦などの連中の巣もどこだか分らない。――ただ時計屋の柳田商会へ行けば、或いはお光さんとの連絡がとれるかとも考えたけれど、自分が掏摸だとわかっているのに、図々しく訪ねることも間が悪く思われる。