Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
陸の海月
トム公は、両方の手を、扉と壁に突ッ張って、木靴でバタバタと床をたたいた。
「こら、出んか」
「出ン」
「どうしましょう」
「よろしい」
刑事は立って来て、柔道何段かの実力を示すように、トム公の喉首を壁際へ持って行った。
「さ……奥様、お通りください」
陸の海月
柔道何段かの前には、トム公も毬のようだった。守衛たちは、さんざん転がった彼の体を、三人でかついで、門の外へ抛り出した。
「畜生」
トム公は、閉じられた鉄の門へぶつかッて行った。亀田を返してもらわなければ、十銭銀貨二枚を待ちこがれて、ランプの石油も買わずにいる彼の五人の家族に対してまみえることができない――という気持でいっぱいだった。
「やい、ヘッポコ、チョンガリ、南京虫!」
赤と青の角燈の光が、彼のうしろから虹のように投射して掠め去った。トム公は、それが本社の表口を離れた馬車だと知ると、まッしぐらに追いかけて、馭者台へとびついた。
「あっ、違ッた」
二頭立ての中に見えたのは、トム公の知らない小父さんだった。前内閣総理大臣大隈重信の顔も、新聞を見ないトム公には、幸いにも、あのへの字口が、そう大したものに見えなかった。