Japanische Klassiker mit Furigana
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
商魔
「二つ切れた――」
「三つ切れた!」
プリンスに習って臙脂の女たちも、ポカポカと石を投げこんだ。キャッキャッと笑って手を打った。
木靴は、めんどう臭くなって、大きな石を一つ蹴落した。どぼーん! と白い水玉が岸まで上がった。
「ひどいわ!」
水鳥のように、女たちが分れ飛んだ。トム公は、野毛橋の闌干から振り向いていた。
「――今のこと、誰にも言うな」
商魔
朝、まだ朝霧や紙屑がほの白い横浜の町を、二人曳きで波止場へ飛ばしてゆく四、五台を見る。――その上には、ゆうべ、真金町の日本ムスメに、もてたか、ふられたかした赤羅紗の外国士官どもが、籐の細いステッキを膝に挟んで、強烈なウスケの大壜を喇叭飲みにつかみ、俥から俥の上へ、手わたしに飲み廻しながら銀貨の音で、車夫の細い脛を叱咤して行く。
傍若無人な俥上の声、日本ムスメの貞操と、シンガポール、蘭領あたりの女のそれとの値段の比較や、いわゆる、大和なでしこの、低級さ、騙しよさ、肌のよさ、髪あぶらの臭さなどを、日本人なみの惚気まじりに、唾を吐きつつ爆笑して行ッた。
それが、当時の浜ッ子には、いかにも颯爽と見え、開化の賓客らしく見え、偉く見え、文明人らしく見えた。