Japanische Klassiker mit Furigana
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
花櫛
誰やらそッと、燐寸を摺って、煙草をのみかけたけれど、仲間の者に低声で叱られて、あわてて揉み消してしまった。
花櫛
棕梠の葉の闇は二十分間ほど沈黙をつづけていた。誰か、欠伸をするような声を立ててからまた五分間ほど戦ぎもしなかった。
そうしている間は、別荘の裏にあたる海の音が眠気を誘うような諧調をもって聞えてくる。小蒸気のエンジンの音が、その暗い海の連想をよぶ。
「来ないわね、なかなか」
お光さんはとうとうしびれを切らして、第一に温室の蔭から腰をのばしてしまった。冷たい玻璃板へ息が曇っているように秋の特有な星雲が空に夜更けていた。
「ねえ諸君、まさか、木乃伊取りが木乃伊になっているのじゃないだろうね」
「何とも知れねえぜ、こう遅いところを見ると」
彼女が、立つと、みんな、待っていたように、一斉に首を伸ばした。棕梠の葉の中から、南洋鬼蔦の中から、シャボテンの中から、蘇鉄の中から。
「トム。見ておいでよ」
「斥候?」
「あ。そしてね、もし島崎がいい気もちになって、こっちの約束を忘れているようだったら、人のいない所で、お尻を抓っておやりよ」
「そりゃ可哀そうだ」と、誰か笑った――