Japanische Klassiker mit Furigana
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
巾着ッ切
いや、そこばかりでなく、よく注意してみると、あっちこっちの樹や石の蔭に、木の葉虫みたいにごろごろと人の寝ているのを発見した。その中には、日本人も交じっていた。
「なんだろう? あいつら」
「知らないのかえ、諸君は」
お光さんは笑って――
「あれはね、チイハという南京富籤を買う人間が、夢を見に来ているんだよ。――ナンキン墓へ来て昼寝をして、その夢をけんとくに富籤を買うとあたるという迷信があるのさ。……抜け目はないやネ、墓番のやつは、それでチイハ流行のこの頃、墓地の入場料をとってしこたま儲けているんだよ」
――話しながらポケットを探っていたお光さんの手には、いつのまにか、小さな短銃が光っていた。
黒眼鏡は、それを見て、顔もからだも、硬直したように、竦んでしまった。
巾着ッ切
ピストルが物を言うように、冷たいことばだった。
「君」
「…………」
黒眼鏡は、その黒い玻璃の奥で、お光さんの顔を、恐怖にみちた目で見つめたままだった。
「君」
「……なんだ」
「名まえを仰っしゃいな、名まえを」
「僕の姓名を貴様などに告げる必要はない。そんな物を人に向けて、何をするんだ」
「素直にしなければ、撃つのよ。