Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme

Aozora Bunko

宣戦

「あ……」

理平も首を捻じ向けた。

そして、三人とも恟ッとしたように浮腰を立てかけると、そこの幌を、海軍洋刀で十文字に切り破って、メリケン刈の頭を突き出した少年マドロスが、にっこと笑って、

「大将、今朝ほどは失敬」

と、言った。

宣戦

「こらっ、そんな所へぶら下がッちゃいかん。降りろ、怪我をするぞ!」

少年マドロスは、狎々しい眼で、理平の襟元から車内をジロジロと見廻した。

「怪我をすりゃ、病院に入れてくれるだろう。だが、ご心配はいりませんや、馬丁台に足を掛けているんだから」

「あぶない! 穢しい! 降りろ」

「いいよ、グランドホテルまで送って行くよ」

「ああそうか、おまえ――波止場乞食か。これをやる。寄るな」

理平は、あわてて、五十銭銀貨一枚を彼の手に握らせた。彼は掌の銀貨に軽蔑をくれて理平の顔へ抛りつけた。

「何をするッ」

「おれを、波止場乞食ッて言やがったからよ。こう! おれにゃ、立派な商売があるんだぞ」

「なんだッ貴様は」

「今朝も、電話で言ったじゃねえか、よく覚えとけよ、おいら、かんかん虫のトムってんだ」

「あっ、今朝のは――おまえか」

「おれだよ。紳士だろう、ちゃんと、電話で、お目にかかることを、断っておいたんだから」