Japanische Klassiker mit Furigana
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
つまりこの風車の別荘は、そういう商取引において、よい都合を与える上級船員たちを擒人にしておく、商法の捕虜収容所だった。
千歳の女将も、そのたびごとには、すくなからぬおこぼれを頂戴した。つまり商戦の捕虜たちに饗応する白粉の女を、彼女は彼女の商法としてここへ提供する。そして、二日でも三日でも、捕虜たちの解放されるまで、彼女もまた娘子軍の幾十人かと共に、関内の店とかけもちに、ここで眼を紅くしておとりまきをしているのだった。
で――その晩もである。
しかし競馬場からそこへ薔薇色の馬車がはいった時には、もう、狂躁な饗宴の熾んさが、玄関にまであふれ、ホールには、その前から運ばれている関内の芸妓、雛妓たちにとりまかれて、多くの、外人賓客たちが、酔態をきわめていた。その中に交じって、先へ帰った主人公の理平も、乱酔といっていいほどに、浮かれていた。――いつか大隈伯をここへ招待したあの晩の理平とは、だいぶ調子がちがう酔い方なのである。
下品な海員ごのみの音楽にホールを鳴らして、彼もまた、特殊な寵愛をかけている何とかいう若い妓を擁して客と共に踊っていた。背のたかい異人たちの間にあって、彼はフロックを着けたゴリラのごとく背が低い。