Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
「はははは。気のながい商法じゃな。それじゃ、やっと、利廻りにしかつかんぞ」
「やはり、ご商売にするなら、こっちにも、相当に玄人すじがおりますから、石炭の方が、まちがいないでしょう」
「ふム、そういうものかな。とにかく、ご来客を煩わしてすまんが、わが島崎君のために、ひとつ、ご乾杯を願おう」
と、理平はグラスをあげて、乱酔している賓客たちを煙に巻いた。芸妓たちは、それこそは本気になって、島崎を祝福するのだった。
その騒々しい客間をのがれて、奈都子は庭へ下りていた。例の神学生の今村といっしょに。
「――まったく、僕も、こういう場合には実に困ることがありますよ」
今村はセンチメントに彼女の会話を誘い出しながら――
「何しろ僕も、酒ときたひにはちっとも飲けない性ですからね」
「私も……」
と、奈都子は言った。
「ああいう部屋の扉を開けただけでも、むうっと、しますのよ。それがもう、年中なんですからたまりませんわ」
「こういう生活というものも、そう申しては何ですが、実に、お察しできますね」
「わたし、何でもいいから、はやくこんな混濁した、心にもない、生活を抜け出して、ほんとに、力のある個性のもてる、家庭に生きたいと思いますわ」