Japanische Klassiker mit Furigana
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かんかんむしはうたう
かんかん虫は唄う
吉川 英治
Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme
「たくさんご祝儀をいただいて来たんだからネ、何でもおねだり、何でも」
小猫のような眼は、急に羞恥んでしまった。
「欲しくないの」
「ほしいわ」
ひとりが手をあげた。
「なあに? 軍艦? おもちゃの」
「いやあよ、そんなもの」
「犬屋にいるお猿さん」
「いや! いや!」
「洋服」
「え。え」
「青い、職工服」
「ひどいわ」
「痛い、この子は」
「だって、あんまりだわ、私たち、かんかん虫じゃなくッてよ」
「そう、じゃ何?」
「――わたし、簪」
「――わたし、刺繍の半襟がほしいわ」
「わたし、柳屋で見た、蟇口」
「お金もないくせに」
「いいのよう」
「ホホホ。みんなお安値いものばかりだね。――豆さん、おまえは」
七人組のなかで、一番小さい、一番おとなしい、一番かしこそうな豆菊は、さっきから馬車の隅に押しつけられて、淋しげに、笑っていた。
「豆さんは」
「わたし……」
と、やっぱり笑っている。
女将は、この子の、ふだんからそうであるが――何かしら淋しげなのを、浮かせるように、
「もっと、すばらしい物をお考えよ。なあに?」
と、顔をのぞいた。
豆菊は、笹色に光る口臙脂から、その紅さを、顔じゅうにちらして、