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Japanische Klassiker mit Furigana

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かんかんむしはうたう

かんかん虫は唄う

吉川 英治

Lesen Sie かんかん虫は唄う (かんかんむしはうたう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.006 Zeichen · 182 Bildschirme

Aozora Bunko

それに、尤も、そっちの方が眼が黒いでしょうが、宝石そのものには、キズやナミは絶対にないです」

「分っております」

「どうでしょう、私も、きょうの夕刻の七時までには、どうしても、生糸の方へ、追敷を注がなければならない場合ですから、即金ならば、たくさんは困るが、ある程度まで見きりますが」

「ま、お茶をひとつ……」

「人が待っているから、なるべく」

「こちらへ、お入れなさいましては」

「いや、かまいませんが、どうですか、その方は」

「実は、きのうここにおりました娘が……」

「ふム、あの、広東服を着ていた?」

「はい、あれが、非常に気に入ったふうでしてな」

「ふム。ふム」

「持って行ってしまったんでございます」

「どこへ」

「それがまだ今日此店へ見えませんようなわけで」

「じょ、じょうだん言ッちゃ困るよご主人。僕は、ここの店へ売ろうというのだから」

「分っております。……ですから買う買わないのご相談も、ひとつ、それが来てからにして戴きたいのでございますが。いえ、責任は当店で持っております。お預かり物を、どうの、こうのと言うのではございません」

「じゃ、いつ頃見えるのかね、その広東服の娘さんは」