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Japanische Klassiker mit Furigana

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ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

米国発展の基をなす開拓魂のたくましさよ。七十歳の老船長ディールさんは今日もがっしりとかじを握りしめ、襲いかかる波頭をにらみつけているであろう。

島原から山本さんがトッポという大きな巻き貝をおみやげに持って来られた。ホラガイに似ているが、外面は灰色で粗野である。内面は美しい肉色でつるつる光っている。これをとるのには潮干のとき沖遠くまで出ねばならぬ。首まで、いや鼻の孔すれすれまでに海につかって、足先でさぐるのだ。いるところには集まっているので、その巣をさぐり当てたら大漁だが、めったにそんな好運にはあわぬ。一日じゅう潮につかっていて、十もとれればよい。ゆでて三杯酢で食べるとなかなか乙なものだ。

私は山本さんにディール船長からおくられたコーヒーをご馳走した。眼を細めてコーヒーを味わう小柄な山本さんの姿は、その上にぶらさがっている秋へちまみたいに枯淡である。ディールさんは七尺ゆたかな大兵肥満、まるでガスタンクのようにエネルギーでつまっている。ディールさんは七十歳にして現役船長であり、太平洋を横断し、山本さんは五十五歳にして退職検事であり、有明海でトッポ貝を拾っている。