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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme

Aozora Bunko

夜に入るも月は赤く、草に伏す両軍の屍は、実に、万余の数を超えていたといわれる。

「勝った。わが軍の捷だ」

魏は云った。蜀も唱えた。

要するに、損害は互角だった。またその戦力も伯仲していたものといえよう。

けれどこの一戦で魏将の討たれた数は蜀以上のものがあり、史上、記すにいとまなきほどであるといわれている。

しかし、すぐこの後において、蜀にも一悲報が来た。それはさきに負傷して成都へ還っていた張飛の子張苞の死であった。破傷風を併発してついに歿したという知らせが孔明の手もとに届いた。

「ああ。……張苞も死んだか」

孔明は声を放って哭いたが、とたんに血を吐いて昏絶した。その後、十日を経て、ようやくすこし元気をとりもどしたが、年来のつかれも出たか、容易に以前のような健康にかえらなかった。

「かなしむな。予の憂いを陣上にあらわすな。われ病むことを、もし仲達が知ったら、大挙してふたたびこれへ来るだろう」

孔明はそう戒めて、旌旗粛々、漢中へ帰った。後で、知った仲達は、機を覚らなかったことを大いに悔い、また顧みて、「彼の神謀は、とうてい、人智を以て測りがたいものがある」