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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme

Aozora Bunko

「少年? まさか童子ではあるまい。幾歳になるか」

「多分、二十歳を出てはいないはずです」

趙雲もそれを裏書して、

「さよう。二十歳をこえてはおるまい。身なりも小さく、胡蝶の如き華武者じゃった。それがしは年七十にも相成るが、まだ、今日まで、姜維のような槍の法を見たのは初めてである」

といった。

孔明は、舌を巻いて、

「天水一郡は、掌にあると思っていたが、測らざりき。そのような英雄児が、この片田舎にもあろうとは」

と、痛嘆して、自身、軍容をあらためて、他日、慎重に城へ迫った。

「およそ城攻めには、初めてかかる日をもっとも肝要とする。一日攻めて落ちず、二日攻めて落ちず、七日十日と日数を経れば経るほど落ち難くなるものだ。彼は信を増し、寄手は士気を減じ、その疲労の差も加わってくるからである。――これしきの小城、兵どもの励みに乗せて、一気に踏みやぶれ」

先手、中軍、各部の部将にたいして、孔明はかく訓示して押し寄せた。

壕をわたり、城壁にとりつき、先手の突撃はさかんなるものだった。けれど城中は寂として抗戦に出ない。すでに一手の蜀軍は城壁高き所の一塁を占領したかにすら見えた。