Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
その代りに、他日、この功を第一の徳とし、諸人にむかって、必ずこれに百倍する叙勲を以て貴下の辱を雪ぐであろうと約されておられる」
馬岱はそう聞くと口惜しさも解け、むしろ孔明の苦衷が思いやられた。意地のわるい魏延は、馬岱の地位が平部将に落されたのを見てやろうとするもののように、
「馬岱を自分の部下にもらいたい」と、孔明に申し入れた。
孔明はゆるさなかったが、今はその孔明の足もとをも見すかしている魏延なので、「どうしても」と、強情を張りとおした。それを聞いた馬岱は、
「いや、魏将軍の下につくならば、自分としても恥かしくない」
と、進んで彼の部下になった。
もちろん堪忍に堪忍をしてのことである。
一方、その後の魏軍にも、多少穏やかならぬ空気が内在していた。
ここにも残念だ、無念だ、という声がしきりにある。
もちろん、それは度重なる大敗からきた蜀軍への敵愾心であって、内部的な抗争や司馬懿に対する怨嗟ではない。
しかし、怨嗟はないまでも、不平はあった。満々たる不満が今やみなぎっていた。
なぜかといえば、以後またも陣々に高札をかかげて、
――一兵たりと、既定の陣線から出た者は斬る。