Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
伸子にとって、話題は自分達と違う世界に属することなので、深い興味を感じた。が、それより彼女の心を動かしたのは、和一郎が、今も子供時代からの結びついた気持を失わず、自分だけには直截に、幾分頼りにさえ思うらしく、そんなことも話してくれる心根であった。伸子は、その信用を、むしろ力にあまって感じた。
和一郎は、桜ン坊の種を、口から出すと、海に小石を投げるように、庭に遠く放りながら云った。
「……姉さんなんか、僕達みたいじゃないんだろうな、きっと」
「そう云うことについて? ちゃんと解ったり落着いたりしていると云うの?」
「うん」
「――結婚しているから?」
「そうばかりでもないけれど」
「若し、結婚しているからそうだろうと思うんだったら、間違いだわ……結婚は結論じゃないもの、出された試験問題、それもなかなかてごわいの……」
伸子は、我知らず暗示的な微笑を浮べた。和一郎は、眩しいような複雑な表情をした。
「――妙なもんだな。僕、級の奴の気持なんか、一言喋らせりゃ大抵解っちゃうんだけど――全くお嬢さんには参るなあ、妙に手応えがなくて、ふわふわで、直ぐ目から水は出すし……」