Japanische Klassiker mit Furigana
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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
Lesen Sie 地名の研究 (ちめいのけんきゅう) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.308 Zeichen · 347 Bildschirme
前の歩射田などもそれであったろうが、作人は別に定まっていて、ただその年貢米の全部または一部を持って行くところだけがちがっていたのである。薬師堂の領する田を薬師免、油の入費に宛てたものを燈明免、または油田などといっている。仏を敬う風は昔から盛んであったとみえて、仏供田という地名もこの地方にはきわめて多い。あるいは仏聖とか仏生とか書いた字名もあるが、これなども正しくは仏餉田というべきで、すなわちまたある尊い仏様に、日を定めて御飯を供える米の出処であったのである。
こういう経済上の理由以外にも、神仏の名を呼ぶ地名はこの県に限らず、どこへ往っても非常に多いものである。たいていはそこにその神・その仏を祀っていたことが、実地と記憶でまだ説明し得られる。現在はすでになくても元はあったと見て誤りがないのである。その中でも野外田園の間に祭る神は、拝殿の建っている神社とは信仰の形態がまた変り、従って地方的異同にはいろいろの暗示がある。地名に表われたる尾参二国の雑神は、やはりだいたいに東の方との聯絡が多い。荒神・山神・地ノ神・道祖神は、西部の諸県にもあるが、伊勢から紀州の一部を止まりにして、東にしかないのは社宮司という神である。