Japanische Klassiker mit Furigana
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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
Lesen Sie 地名の研究 (ちめいのけんきゅう) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.308 Zeichen · 347 Bildschirme
五五 矢立峠
京夫とは京へ行くべき人夫ということである。丸は雑色などの名に常に用いられる語であれば、京丸という地は多分は京往きの夫役を、世襲的に勤めていた者の屋敷給田の地であろう。この推定が当れりとするならば、京丸などはこの山村の中で最も気の利いた世間師の住んでいた部落である。冬の囲炉裏の側の話のごときも、祇園・六波羅・嵯峨・北野で持ち切ったかも知れぬ。仙人などと馬鹿にはできぬ在所である。
五五 矢立峠
境の山に矢立という地名の多いのは注意する必要がある。秋田の大館から津軽へ越える官道に矢立峠がある。すなわち陸奥と出羽との最北の国境である。文化五年の紀行とて『地名辞書』に引用せる『終北録』にはこれに関する伝説を載せている。曰く矢立峠古くは矢立杉と称す。杉の老木ありて柵を繞せり。昔田村将軍この杉の木に矢を射立て木の半身をもって奥羽の境と定む云々。『落葉集』巻十七に相州足柄に矢立の杉あり。武道を祈る者この杉に矢を射立てて手向とするがゆえにこの名ありと見える。その出処と真偽とを知らざるも、人も知るごとくこの地もまた駿河との国境である。『俚言集覧』には甲州の笹子峠に矢立杉という名木あり、七抱半云々と見えている。