Japanische Klassiker mit Furigana
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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
Lesen Sie 地名の研究 (ちめいのけんきゅう) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.308 Zeichen · 347 Bildschirme
三
それでいてこの伝写本に出ているだけの地名でも、ほとんと算え切れぬほど細かく分れている。壱岐は九州南部のある一つの山村よりも小さい国であるが、その地名の多いことにかけては、おそらく北海道の全道とも匹敵するかと思われた。天保年間にできた周防・長門の風土記なども、やはり相応に詳しく各村の字だけは録している。これらを一つ一つ西洋の地名学者が調べたように当って行くことは、日本では実は無理な事であった。すなわち我々のためには特に一つの方法が考え出されねばならぬのであって、しかもこの十分なる資料による以外には、人が土地に名をつけようとした本の心持を、精確にするの途はないのであった。我々の未墾地はこの方面においては、広大にしてまた異常に肥沃である。
三
日本の地名研究のまた一つの大きな特徴は、東西南北の一致がきわめて顕著であって、その発生の通則が見つけやすいことである。これは一つの中心地から四方に向って、前後何回かの移民が分散して行った国でないと、見ることのできない一つの現象であって、これあるがために我々は純然たる帰納法によって、地名ばかりからでも多くの前代生活を闡明することを得るのである。