Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
世上の違犯数も、当然、それに準じて増すばかりなので、さすがの幕府も、犬目付も、法の厳励を期すには、いまや悲鳴をあげないでいられない。
そこで、市中の飼い主のない犬は(官に媚びる者でもない限り犬を飼う物好きもなくなったが)――見つけ次第、これをお犬小屋にあつめて、官費で飼育する案をたて、もと鷹匠番の尾関甚左衛門を支配に、犬与力、犬同心などの役職をおき、その下に、お犬仲間百余名を使役して、この中野に一大犬舎を新設し、数千頭を飼育しているのである。
このため、勘定奉行の荻原近江守は、八州の代官に下知して、高百石について一石ずつの犬扶持を課し、江戸の町民へは、一町ごとに、玄米五斗六升の割で、徴発を令した。
犬一疋、一日の供食には、白米三合、味噌五十目、干鰯一升ずつ――日によって物はちがうがこの程度である。だから中野より規模が狭かった大久保小屋の消費高でも、犬に喰わせる一日料の米、三百三十石、味噌十樽、鰯十俵、薪五十六束という記録がある。その大久保の所用地面積は、二万五千坪で、中野は十六万坪もあったというから、ここでの犬の消費料は知るべきである。
家なき人間の子は、市井にも山野にもみちているが、もし一頭の犬でも病んだらものものしい。