Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

押込強盗やら、昼日中の悪党も跋扈し、奉行所も手におえねえかたちじゃあねえか」

「まったく。……きっと、人間に、クセがついてしまったんだろう」

「何の癖が?」

「十何年もの間、お犬様を崇め奉って来たんで、いつのまにか自分自身で、おれたち人間は、畜生以下の者なんだと、スッカリ頭に沁みこんでしまった癖がよ」

「そうかもしれねえ。何しろ、おれたち人間は、ひねくれたね。自分を考えても、どうも、むかしのように、真ッ直にものをうけとれなくなった」

「真ッ直に歩けば人につき当り――サ。浅野内匠頭は大馬鹿だという者もたくさんあった」

「思い出したが、その家来たち四十七人が、切腹を命じられたあとで、おもしろいことがあったな」

「ヘエ、どんな?」

「忘れたかい。いや、もう赤穂騒動も、十年以上も前の事になるからな。――その四十七士が切腹したあとで、日本橋を始め、江戸の要所に立っていた御制札が、どこのも、泥や墨で塗りつぶされたり、川ン中へ叩き込まれたりして、いくら立て直しても、三日と無事に立っていなかったことがある」

「ウム、あの頃の、御高札荒しか。あれやあ一体、下手人は捕まったかしら」

「一人だって、捕まっているもんか。