Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
と、白い手を合せて拝むような姿態をした。
「いや、何もむりに、訊こうたあいわねえよ。当節のお大名や旗本たちが、ただのお部屋様や妾遊びにも飽いて、遊廓通いや蔭間買いに憂身をやつしているなんて事は、ちッとも珍らしいはなしじゃねえ。だが、おめえは何家の色子かね」
「葭町の万字屋にいる姉崎吉弥といいまする。番屋のおじさん……後生おねがい――この木戸さえ通れば葭町の家へ帰れるんですから、そっと、通してくれませんか」
「と、とんでもねえこッた!」庄七も由も、眼を剥いて、急に、番太精神をよび返した。
「そんな事が、ひょッと知れたら、おれたちの首は、すぐコロリだ。おれが生きていてさえ喰いかねる女房や子供はどうなると思う」
「では、御迷惑でしょうが、夜の明けるまで、お宅のすみへでも、泊めて下さいませんか」
「なるほど、色子ずれがしていやがる。いろんなことをいうなあ。……番屋は土間だし、畳は六畳一間しかねえんだよ。おめえのような綺麗なのを、女房のそばに寝かせるのはおもしろくねえし、女房は女房で、ヘンに亭主へ気をまわすかも知れねえしよ……。断るよ」
「そんなこと、いわないでよう、ねえ、おじさん」