Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
色気の方だからな」
「ふウむ……なるほど……」
同僚のなかでも、兄弟以上にも、親しくしている間なので、市川義平太は、小林勘蔵の机のうえをのぞいて、そこらの書類を、手にとって見た。
江戸じゅうの隠し売女(私娼)の統計やら、身元分けやら、宿の調査などだった。
中に一通、享保初年調べの、江戸の人口表もある。
それによると、いま、江戸の総人口は、
――五十万一千四百四人
と、いうことになっており、男女に分けると、
(男)三十二万三千二百八十五人
(女)十七万八千百十九人
の分類になる。
「小林。この表は、ほんとかな。余りに、男の数が、女に比して、多すぎるじゃないか」
「いや、その表は、市民だけの数だから、大名の家中、お抱え町人、能役者、その他、参覲の各藩邸の者をいれると、どうして、とてもとても、そんな数ではない」
「もっと、男の数が、多くなるわけか」
「もちろん、江戸詰の諸大名の大家族は、ほとんど男ばかりだからな」
「そうかなあ。そんなにまで、江戸の男と女の数が、片ちんばだとはおもわなかった。――なるほど、これでは、女飢饉から、いろいろな犯罪が、のべつ起るのも、むりはないな」