Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
「ここを何処と思う。寛永寺の境内であるぞ。輪王寺の宮のおそば近くへ、不浄役人が十手をたずさえて立ち入るなどは、以てのほかだ。奉行以下、馘を承知でやって来たか」
寺侍らしいその男は、傲然と、壁のように遮った。
義平太は、かっと、ひとみを燃やして、
「な、なに。不浄役人と、申したな」
「奉行、町与力、同心、岡ッ引。それらを一束に、世間では、不浄役人といっておる。おれひとりがいって悪いはずはない」
「余事は措こう。そんな場合ではない」
「おお、場合とは、どんな場合だ」
「ここは俗称、寛永寺の森とはいっているが、まだ、山内の御門内ではあるまい。平常、往来もしてよい地域、われらが立入ったとて、いっこう、さしつかえはないはずだ」
「だから、ここまでは、ゆるしておく。これから先はまかりならん。眼をあいて、よく見るがいい。ついそこは御門境――」
男の指さすうしろを見て、義平太はおもわず、しまったと、歯がみをした。十六弁の裏菊の紋のついた大提灯がほのかに明りを投げている寛永寺裏門の袖塀をかすめ、小さい潜り門のうちへ、お袖のすがたは、吸いこまれるように逃げこんでいた。
「や、や。